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も頼り無い、何かお願いしようと思っても今の様な調子ではパートナーになれないとお思いでしょう。「Shall weダンス」という映画がありますが、ダンスの時のパートナーはそれなりに踊れないと意味がなく、阿波踊りとタンゴとが一緒にはなかなかなりませんから、ハーモニーが合わなければ駄目なわけです。役割に対応出来るボランティア団体側に今、十分な力がないのではないか、しっかりしてもらわなければパートナーとして組めないという問題が、逆に行政側にはあるかも知れません。
ボランティア活動としては、本日のアナ・ミヤレスさんの話などを聞かれて「あれ?」と思われたと思いますが、例えば団体をマネージメントしていくことや、マーケットリサーチをしてボランティアプログラムを組み立てる事など、企業では当たり前の事なのですが、ボランティア団体では非常に新しい概念が提起されてきているわけです。
つまりパートナーシップというのはそれぞれ自立した上で、パートナーを組めるわけですから、寄りかかっていては何も出来ません。その辺りをこの場でいろいろ検討していきたいと思います。
冒頭、ボランティア団体の石田さんの方から団体の活動内容等を含めた自己紹介がありましたので、今度は自分達の活動の中で抱えている問題点、人が集まらないとか、お金が無いとか、リーダーが育たないとか、それから地域の人達にボランティアの事を理解してもらえない等々を出して頂ければと思います。
実は岡山でのシンポジウムで「ボランティア活動で特別養護老人ホームヘ行ってもホームの職員の側はボランティアを全然まともに扱ってくれない。何か邪魔でもしに来たように扱われるので、このような問題をボランティア活動をする環境整備として、行政側に何とかしてほしい」という発言がありました。
まず石田さんにお話を願い、それからタイムダラーという方式でヘロンさんが実際にやられている事例を紹介をして頂き、ボランティアの実態と問題点を出して頂きたいと思います。それから市長には行政サイドの立場と市民との接触の多い立場で、どういうふうにボランティアに期待するか、ないしは行政側との協力という観点からボランティア団体に対しての注文等をお話し願います。その後、間庭さんと土橋さんの方からは、行政サイドもボランティアサイドもどちらも分かっているという立場で、いろいろご発言をお願いしたいと思います。
それでは石田さんからよろしくお願いします。
●「狭山老後を考える会」での事例報告
石田それでは「狭山老後を考える会」の最近の活動の中から具体的な例をプライバシーにふれない範囲でお話したいと思います。
社会福祉協議会に高齢の母親の話相手をしてほしいという要請が、同居の独身の息子(長男)さんからありました。私共は他のグループと協力しまして、月に2回、友愛訪問をするように決めました。友愛訪問も一応2人でお伺いするようにしております。
ところでお母さんの事ですけれども、最初は地方に住んでいる次男の家族と同居しておりました。ところが少々痴呆が始まり、「火」で大変危ない思いをしたという事で、施設入所なさっていました。この施設入所する時に週1回は必ず面会に来て下さいという事で

 

 

 

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